この考えをインターネットに関連する教育に当てはめれば、次のようになります。普段は各々が好きなようにネットを使い、何か起きた時だけ対処できる専門機関を充実させれば良いとは言えません。重度な疾病のように、ネット中毒や犯罪などに対処する専門機関は必要です。しかし、状況を悪化させない予防が必要です。
 では、リスクを周知して危険な目に遭わないよう禁止事項やルールを決めるのはどうでしょうか?予防としては一定の効果はあるでしょうが、そもそも何の為にインターネットを使うのでしょうか?例えば交通事故は避けたいところですが、地域によっては車を使わないわけにはいきません。ですから、リスクを取ってでも車を運転します。
 しかし、子どもにとってスマートフォンやネットは絶対的な生活必需品ではありません。みんながLINEを使っているというのは、そのような生活習慣を作られたにすぎません。その年齢にLINEが無くてはいけない理由はありません。つまり、不必要にリスクの高い生活を習慣化させた上で、危険を避けるための規制やルールを教えることは、根本的に指導の目的が乏しいのです。まるで運転初心者に高性能なスポーツカーを運転させるようなものです。

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