4.子どもを取り巻く環境が変わった

 子どもとは成人になる前段階として社会から保護される存在です。子どもは社会に適応すべく日々様々な情報を吸収しようとします。その力は大人以上です。しかし、情報の内容を評価する力が乏しい為、感覚的に良いもの悪いものを判断する傾向があります。そのため、例え社会的に悪い情報であっても、興味があれば見て覚えようとしてしまうのです。
 その為、子どもの周囲には、子どもが触れても良い情報だけにして、悪い情報は排除する「保護」が必要です。これまでは店員が判断したり、補導員や地域の人が見守っていたり、テレビ局では放送時間を考えるなど、社会全体で「健全な情報を伝える」努力がされていました。
 ところが、こうした努力はユビキタス社会においては無力化してしまいました。成人向け情報や娯楽情報は直接子供部屋にいる子どもの端末に表示されるようになったのです。子どもに近づけたくないと思っていた人も、交流サイト等を通じて直接子どもとつながります。これまで絶対安全だった子供部屋が、危険な場所に変わってしまったのです。

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